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Channel: 黄金比率設定師★悪玉番長オフィシャルブログ Powered By Amenbo
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好調時の手組み。

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自分の麻雀で見るものに何を伝えられるか。


プロとしての戦いがそこにはある。










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前も記事で少し触れたが、とある日の夕刊フジ杯。








手役①

連チャン中、南2局2本場、デカトップ目の親番平岡プロの手牌。


五④⑤⑤⑥⑦34568發發 ツモ‐6s


ここで平岡の選択は打8s。浮かせた五mに引っ付けてのタンピン変化、MAX345の三色も見据えた綺麗な手筋。



が、今はそういう時間帯ではないのである。



森山会長がよく解説の時などで言う台詞。「絶好調の時は手役とか狙わないでいいんですよ。手なりで真っ直ぐ打てば、牌が自然に良いように導いてくれるから。」


あの手役アーティストでお馴染み森山茂和が、損だと思ってもキャラの為にちょっと手役に拘ったりするとか言ってるShigekazuMoriyamaが、手役を狙わなくていいとまで言ってるわけですよね、絶好調の時に関しては。



そう、「好調時は手なりで真っ直ぐ!」。例えそれで放銃に回ったとしても、それはそれで結果的に良い放銃になっている。それこそが態勢論における定説。



この場合でいうと、7sビキの聴牌も逃さないよう、打五mで8sを残すのこそが手順。








手役②
そしてここ。5sひいて今度は一盃口受けも残るリャンメン形と發暗刻にも対応した完全形になるも、まだ三色に拘って打5sにとる平岡プロ。


手なりだとここで打8sの【④⑤⑤⑥⑦345566發發】。


で、次巡ツモ3sで、自然とタンピン変化して發のトイオトへ。【④⑤⑤⑥⑦3345566發】


平岡プロは打6sで345狙いから456狙いへ。








手役③

次巡ツモ7s。ここで平岡プロは打4sの567狙いへ。手は変化するものの、一向に進まない。


手なり手順だと、ここでタンピン③⑥p待ち、先制聴牌。









手役④
結果、手をこねこねして結局聴牌逃してマンズ屋さんに対してドラを切れなくなってオリ。親落とし。


手なり手順で③⑥p即リーだと、直後下家にメンホン聴牌が入って捲りあいになるも、どっちのアガりもないまま流局END…となってそうだが、まぁ~まだまだこの好調の親番は落とさせやしなかったことだろう。







「好調時は手なりで真っ直ぐ!」






遵守すべきことと分かっていても、手なりで真っ直ぐというのは簡単なようでそう簡単でなかったりする。



普段打つ時はそれなりに手役を狙って打つのがAルールにおけるベーシックスタイル。つまり手なりで打つといっても、手順の部分は同じだが手筋の部分で変化が求められるわけである。





とまぁ~前置きはこの辺にして、第30期鳳凰位決定戦9回戦 南3局を見てみよう。









鳳凰戦








伊藤 18,600

沢崎 15,800

直樹 53,500

藤崎 32,100








南3局 ドラ:1s 親:瀬戸熊



3巡目、親番 瀬戸熊の手牌。


【②③⑤⑥⑦五六六六八八中中】


沢崎から出た中のポンテンを瀬戸熊は取らず。


門前で進めても大して打点の見込める手に育たなそうな手恰好。①④p待ちでアガりは堅そうなポンテンだけに、鳴く人が殆んどだろう。


が、瀬戸熊はスルー。




4巡目、伊藤がピンフドラ1の58s待ちでリーチ。考えるべきは藤崎との点差として、大物手が育った時以外は常に忍者vs親という構図を演出する包囲網が敷かれていれば、ここもAルールで3900か1326にしかならない手であるならイッツー変化などを見てリーチといかない選択もあるのかもしれないが、このメンツにソレを期待するのも無理な話であるし、その辺の包囲網に関する話はまた別の機会にでも…。




6巡目、瀬戸熊プロ、④pひいて中と八mのシャンポン待ちで追いかけリーチ。




直後、藤崎に八mが重なり、残る待ちは3巡目にふかした中が1枚。伊藤の58sは山6。








自分のツモを信じる。









全俺が震撼した

10巡目、全俺が震撼した、瀬戸熊プロの中ツモあがり。2600オール。


ほとんどのプレイヤーが1500で終わらすであろうこの手牌を、2600オールのツモあがりでまとめあげた。



キタ!




瀬戸熊プロの麻雀を見続けているファンの人達はみな感じとったことだろう。アレへの突入を!!










南3局1本場 ドラ:⑨p 親:瀬戸熊



4巡目、親の瀬戸熊がチートイツの聴牌。ドラの⑨待ちで先制リーチを放つ。



先ほどのあのアガり形(中が場1、八mは藤崎の手に2枚)も見せられ、トータルポイントを考えたら自身の浮きさえ守っておけば逃げ切れそうなポジションの藤崎智。ドラドラになったということもあってか、この親リーに抗戦の意思を見せる?!


守備型の藤崎が、聴牌もしていない手恰好から親リーチに押していくのはかなりレアか?!守ってるだけでは優勝できないと、ポイント差うんぬんよりも、瀬戸熊が自分の時間帯に持っていくことを危険視したということなのか?!なんともシビれる局面。


で、最後まで行ききるのかと思いきや、オタ風の西をひいたところでスっとノータイムで引きに回った藤崎智。戦う意志がある状況からこんな西ひいたところで、一般人の感覚では切っちゃう人がほとんどだろう。赤も裏もない麻雀で自分にドラドラあって、オタ風の西で刺さって一体何点なんだと。4巡目に入った手なりリーチで。勿論受けてたら切らないのが普通だとは思うけど、攻める意志があったところからこの場1の西で止まる冷静さね。


瀬戸熊のリーチは、2s→九m→⑥→③となっていて、リーチ後に③pが4枚見え。⑥p③pと切られていて、③pは孤立③pだったとなると、匂い立つチートイツの薫り?!勿論限定されたわけではないが、相手の手をチートイツと感じとってすっとひく感じ、単に守備的なわけでもなく、アツくなりすぎて冷静さを失うこともなく、忍者の巧さがピリリと光る一局となりました。


瀬戸熊1人聴牌で流局。









南3局2本場 ドラ:北 親:瀬戸熊 供託:1



4巡目、マンズのホンイツへ向かった藤崎。九mポンから仕掛けを入れる。




藤崎の仕掛け①
更に瀬戸熊から切られた三mを、長考後…


【ニ四五八八②南南北東 九mポン】からニ四でチー。


ターツ不足でリャンメン受けのある部分を仕掛けるとか、なかなか藤崎の仕掛けとしてはレアケースか?!


そもそも本来のスタイルだと、九mもまだ仕掛けずに、2枚枯れたならメンホンチートイでいっか、みたいな手組みにしそうなイメージ。


それだけこの瀬戸熊の親番に危機感を持っているということなのか?!ピンズ屋やってて仕掛けも入った伊藤に満貫くらい打つことになったとしても、この親を落とすことの方が価値あることと判断したということなのか?!







悩む瀬戸熊







藤崎の仕掛け②
八mポンして手牌4センチの忍者藤崎。


4センチで一向聴でドラ孤立。


守備型の藤崎がここまで手を短くして聴牌してないとか、今まであっただろうか?



それだけ瀬戸熊の親連を危惧しているのだろうが、一方でこれは追撃を狙う瀬戸熊からするとトップ目藤崎を捉えるチャンスでもあるひらめき電球






イッツー聴牌
直後、瀬戸熊一気通貫の聴牌。


待ちはペン3sながら、マンズ屋さんとピンズ屋さんがいる中でのソウズ待ち。



仕掛けにはリーチでぶつけるのが基本。何待ちであってもリーチ。



という瀬戸熊麻雀だが、ここまで後ひと押しのところまでいっても忍者に巧くいなされてきただけに、ここはリーチして忍者と1対1の状況にするよりは、誰からでもでる状況で待つダマを選択。





そして藤崎にカン六mの聴牌が入り、ドラの北が打ち出される。北家の沢崎がトイツだったが、直前に暗刻を崩してチートイツ決め打ったのでこれは鳴けず。で、トイツ落としの途中で3sが浮いていた伊藤が打3sで瀬戸熊に放銃。早い展開、早い決着だったが、実に面白い一局となった。




そして瀬戸熊の連チャンは続く。









南3局3本場 ドラ:②p 親:瀬戸熊



好調時の選択

6巡目、瀬戸熊聴牌。


役なし、ドラなし、ペン三m待ち。


通常ならばソウズの連続形も強いし、他のメンツは中張牌ばかりなのでタンヤオへの渡りも難しくなさそうなので聴牌とらずの打一mがセオリーか。


しかし瀬戸熊の選択はリーチ!





「好調時は手なりで真っ直ぐ!」









王者の打ち筋
これが王道の、王者のうちしゅじ!







聴牌とらずだった場合は、4枚目の6sをひいてタンヤオの25s待ちで聴牌。ただし5sは目に見えて3枚見え。しかしその4枚目の5sをツモってメンタンツモの2000は2300オール。これを逃して「あれ?やばいか…」と思うや否や、暗刻持ちの三mを伊藤が切り出し、ロン!6s暗カンも入って2400は3100のアガリをモノにする。



5sでのツモあがりを目の当たりにすると「やっぱ好調だな~」との印象で終わるが、このペン三mでのアガりを見せられると先ほどのペン3sダマとも相俟って「つ、強い…。」と打ち手への印象度が変わってきますよねぇ~。








リラックマ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ









南3局4本場 ドラ:發 親:瀬戸熊




死神の鳴き
伊藤が2枚目の白を仕掛け、白のみのカンニm聴牌を入れる。


考えるべきは藤崎との点差として、大物手が育った時以外は常に忍者vs親という暗黙の結託が成され、包囲網が敷かれていれば、こんなポンテン取らずに234や345に育った時のみ前に出るという手組みにするのだろうが、この男にそんな計算高い麻雀を求めても仕方な…(ry







⑧p残し
一方、瀬戸熊の手牌。ドラドラあって、ターツも好形で残った2シャンテン。藤崎の現物でもある⑧pを手牌に残し、打⑤p。







三色の目
次巡、ツモ⑦p。上目の三色が見えてきた。










待て慌てるな







三色ドラドラのMAXを逃さないことを重視すべきか、ドラ暗刻やドラポンにも対応できるし強い形であるマンズニ三三は触れずにどこか上目のターツを外すべきなのか、迫られる選択。








「好調時は手なりで真っ直ぐ!」





しかし瀬戸熊の選択は打三m。三色の芽を残した…。  ∑(゚Д゚)ナ、ナンデヤ、ディアベルハン…







最高形
手恰好だけを見れば、最高形を捉えた見事な手順。⑥⑨p待ちで高め三色が外の⑨pという見事な待ち。


しかし浮いてるニmは、千点の仕掛けで聴牌を入れている伊藤の当たり牌…。



手なりで真っ直ぐ打てていれば、ここで一四m待ちのリーチが入る局面で、この放銃。好調期へ突入していただけに、この親落としは痛すぎる結末となりました。(´・ω・`)







しか~し、この局はそれだけに留まらなかった?!







忍者の巧さ
伊藤の待ちに合わせたタンヤオチートイツのニm単騎を入れる麻雀忍者、藤崎智。


忍法 頭ハネで、3200は4400のアガりをGETビックリマーク浮きへ。







イケメソにのみ許されたポーズ
「ドヤ!!!」






今シリーズのキーポイント「藤崎智のチートイツ」が見事に決まってしまった。単に好調の親番を落とすのみならず、相手に必殺技まで決められてしまうとは…。






あの瀬戸熊直樹を持ってしても、好調時の親をこういった落とし方で終えてしまう。好調を維持するのも簡単なことではないということだ。









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