あれからもう、一年が経つのか…。
"堀内"プロの十段戦へのアツイ想いが伝わってくる。
"瀬戸熊プロ"の麻雀に賭ける気迫が伝わってくる。
卓上が仕上がっていく感覚が、視聴者にも伝わってくる。
そんな熱戦を制し、十段戦連覇を決めた瀬戸熊直樹。
彼は今年、十段位三連覇へと挑戦する。
ディフェンディングは決勝からの登場となるのだが、未だ2人しか達成していない記録。偉業。
それを、この第30期の大会で、歴代3人目の3連覇となり、達成するのか?!
現役最強の呼び声も聞こえる瀬戸熊だけに、今年も大本命、そうなると見ている人間が大半であることだろう。
しかし、この大会に全てを賭けて臨む男が他にもいる。
堀内正人、四段。
この十段戦というタイトル戦。初段戦トライアル、二段戦トライアル、三段戦、四段戦、四段戦(S)、五段戦、六・七段戦、八・九段戦、九段戦(S)、ベスト16本戦、準決勝、決勝と進んでいく為、高段位所持者に与えられるシードは大きく、実際歴代優勝者には高段位所持者が名を連ねる。
そんな中、25歳の青年が、五段戦シードから勝ち上がり、一躍その名を麻雀界に轟かせた。
それが堀内正人、その人である。
門前手役派、流れや態勢を重視した打ち方に赴きを置くその団体内において、堀内の麻雀は異端だった。
しかし第27期十段戦を制し、自らの力で表舞台へ打って出る道をこじ開け、某誌においてその鳴き戦術を熱く語り、本の出版にまで至り、多くの若者から支持を受けるまでの存在になった。
そう、全ては十段戦から始まったのだ。
だが、堀内はまだ完全に認められたわけではない。昨今連盟プロ達が必死に宣伝している“麻雀格闘倶楽部選抜戦2013”というものがあるが、そのマニフェスト発表プロの中に堀内の姿は無い。かつてG1タイトルを取り、雑誌で戦術に関する連載を持っていても、まだ自分が所属する組織の上層部には認められていないのである。
ならばまた、勝ち取るしかあるまい。勝つことで、結果を残すことで認めさせるしかない。自分の麻雀を。そして、堀内正人という存在を…。
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第30期十段戦
●ベスト16
A卓:堀内 正人 vs 明石 定家 vs 古川 孝次 vs 河井 保国
B卓:仁平 宣明 vs 中村 毅 vs 伊藤 優孝 vs 山井 弘
C卓:浜上 文吾 vs 山田 浩之 vs 前原 雄大 vs 安村 浩司
D卓:安東 裕充 vs 小島 武夫 vs 滝沢 和典 vs 沢崎 誠
●ベスト8
A卓:堀内正人 vs 伊藤優孝 vs 山田浩之 vs 小島武夫
B卓:古川孝次 vs 中村 毅 vs 前原雄大 vs 沢崎 誠
☆決勝進出者
堀内正人 小島武夫 沢崎誠 中村毅
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今年もこの2人がこの舞台で戦うこととなった。
ディフェンディングの前原と瀬戸熊の戦いになると予想されていた第27期十段戦。
瀬戸熊自信も前原への挑戦に気合入りまくり、受けて立つ前原も「瀬戸熊が残ってテンションが上がった」というほど、両者意識し合った熱の篭り様。
しかし、その戦いを制したのは、新進気鋭、25歳の高速雀士"堀内正人"だった。
◆第27期十段戦
優勝 堀内正人 第3位 瀬戸熊直樹
第28期十段戦、ディフェンディング堀内に挑むは、態勢や流れを意識する堀内とは両極にある麻雀を打つベテラン森山茂和と、瀬戸熊直樹。
この時より、タイトル戦決勝が配信されるようになったこともあり、2日制から3日制へ。
初日、二日目といかんなく実力を発揮し、視聴者に優勝は決まったと思われるほどのリードをつけた瀬戸熊。
しかし、堀内の十段戦へ賭ける気迫が驚異の追い上げを見せた。最終12回戦南3局5本場。親、堀内。勝負に流れというものがあるなら、瀬戸熊はこのまま逆転負けを食らうのではないかと心配になるほどに、堀内の勢いはすさまじかった。
が、その勢いを断ち切ったのは、第3の男、森山茂和である。
タイトルを賭けた決勝の舞台、最終半荘というのに、この半荘トップを取りに行くと公言し、アトミックピンフリーチを放つ森山。
道中、「優勝への条件を考えて、もっとトップを走る瀬戸熊を苦しめる打ち方をしないとダメだ!」と激おこプンプン丸だったという本人が、この最後の最後で優勝条件考えずにピンフ高めドラの手でリーチ…ロン。
対局者は互いに納得しているのかもしれないが、視聴者的にはなんともいえぬ想いの残る十段戦だった。。。
◆第28期十段戦
優勝 瀬戸熊直樹 準優勝 堀内正人
昨年十段戦を制した瀬戸熊だったが、最終戦南3局5本場の出来事からネットは炎上。片八百長とまで言われるほどに、スッキリとしないタイトル獲得だった。
それだけに、今年は勝つことに意味がある。絶対に負けられない闘いといえよう。
一方堀内も、一昨年はうれし涙を流し、昨年は悔し涙を、そして今年、この舞台に再び帰ってきたことは大きな自信へと繋がったことだろうし、よりこの大会への想いを強くしたことだろう。
足切りの決まる10回戦。オーラスを迎えた段階で堀内は跳満条件と、足切りの大本命ポジションに居た。
しかし、麻雀の神は堀内を残した。瀬戸熊との戦いに決着をつけさせる為に…。
足切りを逃れた堀内は11回戦でブレイク。終始トップを走ってきた瀬戸熊を、最終12回戦を前になんと捲ってしまったのだ。
そして伝説の12回戦。数々のドラマを生んだこの戦い、最後に勝利の女神が微笑んだのは・・・・・瀬戸熊だった。
しかし負けた堀内の目には涙はない。しっかりと戦い切り、瀬戸熊の強さをしっかりと感じた今年の堀内には、涙ではなく、来年再びこの舞台に帰ってきて瀬戸熊直樹に挑戦するという熱い想いが込み上げていたことだろう。
◆第29期十段戦
優勝 瀬戸熊直樹 準優勝 堀内正人
そして今年…。
「 愚形を解消は鉄鳴き! 役を確定できる鳴きはグッド!! 」
「 ゲーム回しより自分のツモ! ブレイク中は自分のツモを信じろ!! 」
交差する麻雀観。
この勝負、見届けよ!!!
第30期
十 段 戦 ~ Coming Soon ~
ぷり